エネルギーの自由化がメキシコにもたらしたインパクトと2020年の予測

no-banner
12月 31, 2019

2019年が終了した今、この1年間にメキシコのエネルギー市場を形成した価格、信頼性、投資、環境と言ったすべての主要な要因について振り返り帰ってみましょう。

電力市場で最も良かったことは、市場参加者によって非常に競争が激しいダイナミックなエネルギー市場が形成されたことです。 エネルギーの自由化が始まってから、利用者は彼らのニーズを満たすため、安い再生可能エネルギーを提供できるサプライヤーと発電会社を探し始めました。 2019年は市場での競争がより激しくなり、サプライヤーも発電会社も新しい利用者の獲得に積極的に動いたため、多くの利用者がCFEを離れることになりました。

同時に利用者はより洗練され、自由化市場やそれにおけるリスク、またエネルギー需要を戦略的に管理して競争上の優位性を得る方法についても理解を深めています。 これに関連して特筆すべきは、信頼性を高めるためCFE Basic Supplyからの供給を補完または交換するための自家発電および分散型発電に対する利用者の関心が年々高まっているということです。

その他に良かったことは、市場の合意としてメキシコが引き続き再生可能エネルギーの発電規模を拡大し、電気料金を下げ、炭素排出量を減らし、古くて非効率な石油、ディーゼル、石炭による発電を減らし複合サイクルプラントを構築して行くと言うことです。

その反面、年間を通して市場全体に雲のようにかかった重大な規制上のリスクについてもお話ししなければなりません。 新政権はCREの独立性を無理やり切り離したあと、CFEとPEMEXにとって有利な新しい規制を引き続け押し付け、市場参加者が享受できるはずの利益に悪影響を与えました。 ほとんどの人はメキシコの資産を保護したいということを理解していますが、米国、カナダ、メキシコのエネルギー市場の統合をさらに推進すれば長期的に利益があると考えています。メキシコが排出量を削減し大口の顧客の競争力を維持し、新たな産業を誘致するために必要なオプションを提供しながら、将来のエネルギーニーズを満たすためのインフラ改善にかかる投資を増やすことは困難です。

例えば2019年度は、送配電網を改善するための継続的な投資が不足していました。 そのため同国の電力市場は停電や非効率性に悩まされました。 送配電の改善プロジェクトに多額の資金支出をしなければ、現在建設中または計画中のすべての新世代の発電施設への影響を軽減することはできません。現在のシナリオでは2020年は非常に厳しい年になります。市場は上下移動の激しい経験をするでしょう。

ただし次の2つの理由から2020年のメキシコのエネルギー市場についてはある意味楽観的であり続けると思われます。

• 利用者はクリーンで安価なエネルギー供給、信頼性と供給品質の向上への希求を妨げられることはありません。 彼らは従来の供給契約を通じて、自家発電や分散発電でそれを満たすことができるからです。

• メキシコには民間による投資とエネルギー部門への参加が必要です。 国家優先的なやり方は理解できるものの、財務状況と非効率性を考えるとCFEとPEMEXがすべてを彼ら自身で行うことは不可能です。

これらの2つの理由は、メキシコのエネルギー市場を競争力のある開かれたものにするという使命に果敢に取り組んでいる市場参加者を活気づけるはずです。 オープンな競争市場のメリットと価値を目の当たりにして、私たちはとびぬけた洞察力により、大口利用者が必要としているエネルギー戦略や自社の掲げる目標達成のお手伝いをするために、自由化市場のわずかな差異や変化も注意深く監視し続けなければいけません。

変化に対応することは簡単ではありません。だからこそ我々は弊社の役割に磨きをかけ、行政や民間部門と共に協力しながら、この大きなプロジェクトを遂行することを心待ちにしています。

Top