新しエネルギー政策は、市場への投資と大口ユーザーにとって極めて危険です。

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10月 4, 2020

現在メキシコのエネルギー規制当局は政権の意向に屈し、CFEとPEMEXを支援する方向に動いているように見えます。もしこれが事実であることが明白になれば、特にコロナによる金融および社会危機の中で、メキシコとメキシコに投資している企業にとって非常に残念なニュースとなるでしょう。

エネルギー規制当局は、エネルギー産業の効率的な発展と競争を促進し、エンドユーザーの利益を保護することを主な目的とする独立した機関でなければなりません。残念ながら、CFEとPEMEXを支援することは、規制当局がこれらの目的を自ら放棄するだけでなく、ディーゼル、燃料油、石炭発電を保護するため、再生可能エネルギー発電プロジェクトが中止される可能性があります。そうなれば今まで投資されてきた数十億米ドルは無駄になり、環境はさらに悪化します。

エネルギー規制当局の独立性は、現在そして将来すべての市場参加者、ならびにメキシコ内外の投資家を安心させ、さらなる投資の促進に最も重要です。規制当局の独立性の欠如は、メキシコへの投資について大きな懸念と不安を抱かせます。このことはメキシコの主要な投資リスクの1つとして、最近米国務省によって取り上げられました。
はっきり言えば、メキシコにとって必要な投資を国内外から呼び込むには、強力で独立した規制機関の存在が不可欠です。新規投資がなければ経済発展は停滞し、その結果コロナ後の家庭や企業の経済回復は著しく遅くなります。

現在、世界中の国々がエネルギー部門への投資が、景気回復を促進するための重要な方法だと考えています。 これらの投資は、再生可能エネルギー発電プロジェクトに集中しているだけでなく、化石燃料への依存度が低い分散型電力供給モデルへの移行も促進させています。

ただ残念なことに、現在その動きはメキシコではまだ鈍いです。 なぜなら政府は深刻な債務を負っている石油会社PEMEXが、いづれメキシコ経済を牽引することを期待し何とか救済しようとしているからです。しかしPEMEXの救済に国家の命運を賭けることは、あまりにも近視眼的で無謀と言わざるを得ません。

輸送部門からの炭素排出量を削減するという圧力の高まりと相まって、より多くの電気自動車が使用されるようになるでしょう。そうなれば石油需要は今後数年間でピークに達し、その後減少すると予想されています。需要の減少と供給の余剰が相まって石油価格は下落し、それがPEMEXの財政だけでなくメキシコの財政予算に悪影響を与えることは必至です。

さらに、CFEをPEMEXの燃料油とディーゼルのはけ口にしても、環境上のメリットはなく、電気代は高額を維持するため、エンドユーザーには何のメリットもありません。

右のグラフは、メキシコの企業が、中国やインドにある競合企業と比較しした場合の電気料金における競争上の不利益を示しています。さらに悪いことに、中国とインドは再生可能エネルギーとガス火力発電に多額の投資や送配電網の改善を積極的に行っていますが、メキシコは全く反対の方向に進んでいます。

メキシコは多くの課題に直面しており、残念ながらCFEとPEMEXが近い将来、メキシコのエネルギー市場を支える存在でなくなることは明白です。

私たちの心からの希望は、規制当局が政府からの独立性を取り戻し、本来の役割である効率的で競争力のある市場を保証することです。そして新しい投資を奨励し、エンドユーザーのコストを削減し、将来のメキシコが、持続可能性を維持するという目標を推進することです。 結局のところ、「Non progredi est regredi」(先に進まないことは戻ることです)。

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